はじめに
釣果ログの「分析」タブは、あなた自身の釣果記録を統計分析して、「どんなときに釣れているか」を探し、言葉で教えてくれる機能です。自分でも気づいていなかったパターンが見つかることもあります。
たとえばこんな一文が出ます。
これは、誰かの経験談でも一般論でもありません。あなたが記録した釣果と、そのときの潮・風・水深・底質を突き合わせて出てきた、あなたの海の、あなたの釣りのパターンです。
ただし、最初は何も出ません。分析が言えることは、記録の数で決まります。このページでは、記録がたまるとどんなことが分かるようになるのか、そして画面をどう読めばいいのかを、順番に説明します。
記録の数と、分かることの関係
| 記録の数 | 分かること |
|---|---|
| 〜4件 | まだ何も出ません。「傾向を出すには5件・釣行2回以上が目安」と表示されます |
| 5〜15件くらい | 「参考」レベルの傾向が出始めます。まだ偶然の可能性が高い段階です |
| 20〜30件くらい | 「傾向」がいくつか出て、魚種ごとの当たり条件も見えてきます |
| 50件〜 | 「当たり」と呼べる条件が出ます。エリアや魚種で絞っても傾向が出るようになります |
記録が増えるほど、分析は自信を持って言えるようになります。逆に言うと、たくさん記録するほど、あなたのアプリはあなたの釣りに詳しくなっていきます。
どんなことが分かるようになるか
記録がたまってくると、次のような発見が出てきます。実際の画面に出る文を例にして紹介します。
潮のどのタイミングが良いか
上げ潮か下げ潮か、満潮前後か干潮前後か、大潮か中潮か。釣り人なら誰でも気にしているところですが、「自分の場合はどうなのか」を数字で確かめられます。
何時ごろが良いか
朝まづめ・午前・昼・午後・夕まづめのどこに釣果が集中しているか。「朝が良いのは分かっている」と思っていても、意外と昼の方が釣れていることもあります。
水深と底質の組み合わせ
水深と、海底の底質(砂・岩・泥など。公的データから自動で付きます)を組み合わせて、どの層のどんな底で釣れているかが分かります。二つの条件が重なったときに特に良い、という組み合わせも見つけてくれます。
魚種ごとの当たり条件
同じ日に同じ場所で釣っていても、魚種によって当たる条件は違います。「魚種」で絞ると、その魚だけの傾向が見られます。
良型はどこで出ているか
数が釣れる条件と、大きいのが出る条件は別のことがあります。良型だけを取り出した傾向も出ます。
エリアごとの違い
釣果は自動でエリア(いつも行く海域)にまとまります。エリアで絞ると、その海域だけの傾向が出ます。潮の向きや風向きは、海域が違えば意味も違うので、エリアで絞ったときにだけ評価されます。
釣れていない条件
これも大事な情報です。よく行っているのに釣れていない条件が分かれば、その時間を別の場所や別の狙いに使えます。傾向リストでは、釣れていない条件にはグレーの「−」が付きます。
画面の読み方
上の3つの数字
総釣果・釣行回数・1釣行あたりの匹数です。「1釣行あたり」は、あなたの釣りが上向いているかを見る一番シンプルな数字です。右上の「全期間/今季」で切り替えて比べてみてください。
「よく釣れている条件」カード
いま一番はっきりしている傾向が一つ、大きく出ます。右上のバッジが自信の度合いです。
- ◎ 当たり記録が十分にあって、はっきり偏っている
- ○ 傾向偏りはあるが、もう少し記録がほしい
- △ 参考気になる兆しはある、という程度
カードの「根拠を見る」を押すと、その傾向を支えている釣果の一覧と、数字の内訳が見られます。
傾向リスト
カードに載らなかった傾向が、自信の高い順に並びます。それぞれ「時間あたり ×1.5・9件・釣行4回」のように、倍率・件数・釣行回数が付いています。押すと根拠画面が開きます。
根拠画面
一番読んでほしいのがここです。
この一文が、分析の考え方そのものです。下に該当する釣果が並び、「地図で見る」を押せば、その釣果がどこで出たかを地図で確かめられます。
水深×潮の表
水深帯と潮回りの組み合わせごとに、件数を並べた表です。「時間あたり」に切り替えると、件数ではなく「その組み合わせのときにどれだけ釣れやすかったか」で色が付きます。数字を押すと、そのマスに入っている釣果の一覧が出ます。
全体・エリア・魚種の切り替え
一番上のボタンで、分析の対象を絞れます。最初は「全体」で眺めて、記録が増えてきたら「魚種」や「エリア」で絞ってみてください。絞ると件数が減るので、最初は「件数不足」と出ることが多いですが、それも正常です。
「時間あたり」って何ですか
このアプリの分析で一番大事な考え方なので、ここだけは少し説明させてください。
「下げ潮で10匹、上げ潮で6匹」と数えるだけでは、下げ潮の方が釣れるとは言えません。もし下げ潮の時間帯にばかり船を出していたら、下げ潮の釣果が多いのは当たり前だからです。
そこでこのアプリは、出船していた時間で割ります。あなたの釣行の出港から帰港までを10分刻みに分けて、そのとき潮がどうだったか、風がどうだったかを公的データから全部並べます。すると「下げ潮だった時間は全部で何時間」というのが分かります。
下げ潮の時間が全体の3分の1しかないのに、釣果の4割がその時間に出ていれば、下げ潮は時間の割によく釣れている、と言えます。これが「時間あたり 1.3倍」です。
場所の条件は、実際に釣りをしていた時間で(2.0 から)
水深・底質・魚礁・沈船といった場所の条件は、2.0 から、航跡から分かる、実際に釣りをしていた時間で数えます。航跡の「釣り中」の区間を 30 秒ごとに区切り、そのときいた場所の水深と、近くの底質・魚礁・沈船を調べて、「水深 60〜100m で釣りをしていた時間は全部で何時間」を出します。移動している間の時間は入りません。
これまでは、同じエリアで釣れたすべての魚が、どの水深・底質で出ていたかと比べていました。2.0 からは、航跡のある釣行について、どこで、どれだけの時間釣りをしていたかと比べます。よく流している場所だから釣果が多い、という見かけの偏りを取り除けます。航跡はあるのに釣れなかった日の流しの時間も、きちんと数に入ります。
航跡のない釣行(「釣行を開始」を押さなかった日や、2.0 より前の記録)の釣果は、これまでどおり数えます。航跡のある釣行とない釣行が混ざっているときは、両方を合わせて数えます。場所の条件は、魚種を選んだときに出ます。潮回りや時間帯などは、今までどおり、出港から帰港までの時間で数えます。
だから、釣果が多い条件ではなく、そのときにいれば釣れやすい条件が分かります。次の釣行でどの時間帯に本気を出すか、を決める材料になります。
この分析が信頼できる理由(少しだけ、仕組みの話)
統計の細かい話は省きますが、分析が「それっぽいこと」を言わないように、いくつか工夫をしています。
時間を分母にしています。 上で説明したとおりです。潮回りや時間帯は出船していた時間、水深・底質などの場所の条件は、航跡から分かる、実際に釣りをしていた時間を分母にして、よく行く条件だから釣果が多い、という見かけの偏りを取り除いています。
件数が少ないときは控えめに言います。 3件で3倍と出ても、それは偶然かもしれません。件数が少ないほど倍率を1倍に近づけて評価し、根拠画面の「ばらつきを考えると○〜○倍の範囲」で、どのくらい幅があるかを見せています。この幅が1倍をまたいでいる間は「当たり」とは言いません。
いつもの条件は「当たり」にしません。 出船時間の8割が中潮なら、中潮で釣れているのは当然です。そういう条件は表示から外しています。
向きは同じ海域の中でだけ比べます。 潮の向きや風向きは、海域が違えば意味が変わります。エリアで絞ったときにだけ評価しています。
記録が増えると結果は変わります。 それは正常です。最初の20件で出た「当たり」が、50件になったら「傾向」に下がることもあります。分析はあなたの記録に追いついていくものなので、変わっていくのを楽しんでください。
記録をためるコツ
分析の質は、記録の質で決まります。難しいことはありません。
出港したら「釣行を開始」を押す。 地図の左上のボタンを押すと、帰港まで航跡を記録します。航跡があると、場所の条件を、実際に釣りをしていた時間で数えられます。押し忘れても、釣果はいつも通り記録できます。
釣れたその場で登録する。 画面下の中央のカメラで撮るだけで、位置・時刻・魚種・水深・そのときの潮・風・波・底質が自動で入ります。あとから登録すると位置が変わってしまうので、船の上で撮るのが一番です。
魚探の水深があれば、直す。 水深は海底地形のデータから自動で入りますが、魚探で見た値があれば直してください。分析の精度が上がります。
ボウズの日も釣行として残す。 記録タブの「過去の釣行を追加」で、釣れなかった日も残せます。「釣れなかった時間」が分かると、「釣れる条件」の精度が上がります。
エリアの名前を自分の呼び方にする。 エリアは自動で作られますが、名前は設定のエリア管理で変えられます。「亀城の北」でも「いつもの根」でも、自分が分かる名前にしておくと、分析の文が読みやすくなります。
魚種は候補から確定する。 魚種が入っていないと、魚種ごとの傾向に使えません。魚種が未確定の釣果は、図鑑の「魚種の確認」からまとめて名前を付けられます。
2.0 で変わったこと
2.0 で、出港から帰港までの航跡を記録できるようになりました。航跡から「釣りをしていた時間」が分かるので、水深・底質などの場所の条件は、その時間に対してどれだけ釣れたかで数えるようになりました(上の「場所の条件は、実際に釣りをしていた時間で」)。地図で過去の釣行を重ねれば、どこを流して、どこで釣れたかも見比べられます。
2.0 より前の記録も、そのまま分析に使えます。航跡のない釣行は、これまでどおり数えます。
注意していただきたいこと
分析が出すのは「これまでの傾向」であって、次の釣行の予測ではありません。海は毎日違います。潮汐・潮流・気象のデータは公的な推算値や予報値をもとにしていて、実際の海況とは差があります。分析はあくまで、あなたの経験と勘に添える、もう一つの材料としてお使いください。